住宅ローンをFPが分かり易く解説します
      TOPICS〜「変動型」「固定型」どっちが得?〜
私が相談の中でよく聞かれるのが「変動型」と「固定型」はどっちが得ですかという質問です。将来の金利は誰もわかりませんのでどっちが得かは断定できません。ただどのタイプの
ローンがその人にいいかという判断はある程度はできます。それを以下にご説明します。
「利息」について
 住宅ローンの種類については理解いただけたと思います。皆さんは住宅ローンを選ぶ際に金利だけを見て決めていませんか。もちろん条件が同じならば金利1.5%よりも金利1.0%の方が返済額が少ないのは当たり前です。
        返済額が少ない方がお得なのでもちろん金利も重要ですが、それ以上に私は「利息」を重視します。毎月利息をいくら払っているかというのが重要なのです。それともうひとつ重要なのが残債額です。これらを総合的に見て選ぶ必要があります。具体的に3つの例で見ていきましょう。
        仮に住宅ローンを3000万円@全期間固定35年2.5% A変動金利35年0.9% B10年固定 1.2%       で組む場合を例とすると、毎月の返済額が
                   @107,249円   A83,295円  B87,511円となり
        差額は変動金利が一番安く-23,954円、10年固定は-19,738円安くなります。  全期間固定はずっと返済額は同じですが、変動は将来上がっていくでしょう。そこで利息の実額を見ていきます。
        利息=残債X金利ですので残債が減っていくと少なくなっていきます。第1回目の返済額は
        @利息62,500円 元本44,749円  A利息22,500円 元本60,795円 B利息30,000円 元本57,511円
        となります。利息の差が全期間固定と比較すると、変動では-40,000円、10年固定では-32,500円にもなっています。利息とは金融機関に支払うコストですから借りる側にとってはできるだけ少ない方が良いといえます。
        利息は第1回目が一番大きく残債が少なくなるごとに小さくなっていきます。ただし残債の減り具合も@の場合は小さいのでなかなか残債が減らないということになります。さらに5年後の残債をみてみると、5年間この低金利が続き変動金利も動かなかったとすると、5年後の残債は
                 @27,143,228円   A26,270,425円  B26,445,569円
        となり、変動Aの方が872,803円元本が少なく、10年固定Bは697,659円元本が少なくなっています。35年のうち5年が経過した時点でこれだけの差になりますので低金利が続けばその差は広がります。しかし近々金利が上昇すれば逆転することもあり得ます。それは誰にもわかりません。そこで
        ・将来金利が上がるリスクを取りたくない(もしくは取れない)なら@全期間固定を、
・家計に余裕があり(繰上返済資金がある)ならAを、
・今から10年間で繰上返済資金が貯めれるならBを選択するのが良いでしょう。
		どの返済方法が得かはその人の考え方や家計状況によりますので人それぞれによって異なるということになります。
		(繰上返済については後の頁で詳しく解説します。)金融機関のローン提案書ではわかりにくいFPの住宅ローン比較表を 
        是非ご活用してみてください。
        
        
        
                 
           
 
        
CFPの井上雅也です。